なぜ人間は猿より毛が薄い?人間の進化に関わる体毛と体温の関係
目次
人間はどうして毛が薄い?
- 「どうして生えてくるの?」
- 「ムダ毛なんかなくなればいい」
ムダ毛を気にする人はたくさんいると思います。ですがむしろ今私たち人間は、どうしてこんなに毛が薄くなったのでしょうか?
ムダ毛を減らすきっかけになった「直立二足歩行」
人間の体毛が減っていくキーポイントになったのは「二足歩行」。直立二足歩行が始まったのと、毛が減ることになんの関係があるのかと疑問に思うでしょう。でも、人間はこの「直立二足歩行」が始まったことによって、体中を覆っていた大量の体毛が必要ではなくなりました。むしろ進化するためには毛をなくしていく必要がありました。
どうして体毛がいらなくなった?
人間に体毛が必要ではなくなった理由には、いくつかの説があります。
1. 太陽の光が当たる部分が頭だけになったから
かつて人間が四足歩行だったとき、背中など頭以外の部分にも直射日光が当たっていました。体毛は、そんな皮膚がんの原因にもなる直射日光から体を守る働きをしていました。ですがそれが二足歩行になると、太陽の光が強く当たるのは、ほぼ頭のみ。頭以外の部分、つまり背中や手足が体毛で覆われる必要がなくなりました。そのため体毛は薄くなっていった、という説です。
2. 体温を下げるため
人間は直立二足歩行を始めると、ただ歩くようになっただけでなく、生活もどんどん変わっていきました。食べ物を探すために歩いたり走ったり。そうすると体温が上がります。そのときに体が体毛に覆われていると、熱を逃がせないんです。人間が二足歩行を始めたアウストラロピテクスもアフリカで生まれましたが、特に暑い地域であるアフリカで、体温を逃がすことはかなり重要な部分だったのでないでしょうか。
3. 寄生虫や虫の住処になる毛は不衛生だった
上でもありますが、人間は走り始め、体温が上がるようになります。すると汗も大量にかくし、寄生虫や虫もよってきて体毛もかなり不衛生なものになるんです。そうなると、毛が必要なくなるだけでなく、むしろ邪魔なものになります。これが、毛がなくなった理由は体を衛生的に保つためではないかという説です。
毛に関する研究は進んでいるとはいえない
命に関わるような問題になることが少ないことから、体毛に関する医学的な研究は進んでいるとは言えません。そのため体毛については今もわかっていないことが多いそうです。
ただ、1つ目や2つ目の理屈で考えると「日焼けしなければムダ毛が減る?」「運動して汗をかけばムダ毛が減る?」のようにも思えますが、実際どうなのでしょうね。謎は深まります。
毛がなくなったことで人間がより人間に近づいた!?
毛がなくなった理由とは関係ありませんが、毛がなくなっていくことは人類にとっては大切なことだったようです。
毛がもし今もなくならず、体温を下げられなったとしたら、熱に弱い「脳」は現在の人間のように発達していなかったでしょう。毛がなくなって体温を下げやすくなったからこそ、人間の脳は発達していけたんですね。
また、サルは全身の毛を逆立たせることで「警戒」「怒り」「威嚇」などを表していますが、毛がなくなればそういったことはできなくなります。そのため人間は、現在のようなコミュニケーション力を発達させていくことができた、という考え方もあります。
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